不純な動機でも、ビッグになればいい。

シムソンズ 青春版 (完全限定生産) [DVD]
不純な動機でも、ビッグになればいい。
introducing 「シムソンズ」「クール・ランニング」
例えば音楽の世界。日本が誇る偉大なアーティストである桑田佳祐は大学生のとき、いろんな奇抜な名前のバンドを結成した。その動機は、何はともあれ女の子にもてたいからだ。よくある話だ。
しかもサザンオールスターズとしてデビューした際、初めてレコードを発売したのが「勝手にシンドバッド」である。タイトルからして受け狙いだ。
スポーツの世界でも、たとえその競技が一般的に人気がなくても、オリンピックの代表選手ともなれば注目の的になる。ただ、不純な動機で始めたにしろ、あとから自分の能力に目覚めたにしろ、オリンピックの代表になるのは至難の業だ。
そのためには、少なくとも優秀なコーチが必要である。
こんばんは、マンハッタン坂本です。


北海道常呂(ところ)町はホタテとタマネギの名産地。
女子高生の和子(加藤ローサ)にとってそんな地味な町に未来への希望はなく、町で唯一盛んなマイナー・スポーツカーリングの英雄・真人さま(田中圭)の姿を見ることだけが生き甲斐である。
ひょんなきっかけで真人にカーリング経験者と答え、チームを作らないかと誘われその気になった和子は、がり勉の史江とカーリングに詳しいだけの菜摘を強引に練習場へ連れて行く。すると同級生で、もと天才プレイヤーの美希(藤井美菜)が4人目である。
おまけに、美希のために真人から頼まれたホタテ漁が本業の大宮(大泉洋)がコーチだ。
とりあえずSIMSONSというチーム名で大宮の指導の下、最初の試合に臨むが無得点のコールド負けを喫する。
悔しくてたまらない和子は、ホタテ・エキス入りのオニオンスープを売って稼いだ金で大宮を雇い、ハードな練習に耐え、練習試合に臨む。
「嘘だけはつくな。嘘はチームをダメにするんだ!」
初得点に喜ぶメンバーの前で、大宮は美希が反則して得点したことを指摘する。北海道選手権大会の決勝で反則を申告した大宮にとって許せない行為だったからだ。
それがきっかけでチームは解散するが、本当の1点を取るために再び結集する。
SIMSONSは北海道選手権大会に出場し、あろうことか決勝まで勝ち進む。お互いを信じ合うこと、そして試合を楽しむことをコーチが教えてくれたからだ。
勝敗を決める最後の一投。一か八かのチャレンジは失敗に終わる。だが観客から拍手喝采がわき起こる。
数年後、SIMSONSはソルトレイクシティー冬季オリンピックの日本代表となる。
  (注釈1)

常夏の国ジャマイカ。
オリンピックの代表を決める100メートル走の選考会で、デリースは隣りを走っていた選手の転倒に巻き込まれ、夢を絶たれる。
諦めきれない彼は、手押し車レーサーのサンカと共に、ジャマイカ在住のボブスレーの金メダリストでアメリカ人のアービン(ジョン・キャンディ)を拝み倒し、コーチを引き受けさせる。
4人乗りボブスレーのクラッシュ・フィルムを見て残ったのは、結局能天気なサンカだけ。残りの二人は、選考会で転倒した張本人で、父親の抑圧から逃げたがっているジュニアと巻き添えを食ったもう一人のユル・ブリナー。
だがスプリンター揃いの4人に勝算ありと睨んだアービンは、本気で彼らの特訓を始める。
マイナス25度のカナダのカルガリーに到着した4人は、アービンが調達してきた練習用の中古そりで生まれて初めて氷の上を走る。他の国の選手からバカにされながらも何とか予選通過タイムをクリアし、晴れてオリンピックの代表となる。
「顔も、身振りも、話し方も、ジャマイカ人なら、ボブスレーもジャマイカ流で」
サンカがみんなに向かってそう言う。第1走で実力を出しきれず最下位に終わったことに憤慨したアービンに、お前たちで何とかしろと激を飛ばされたからだ。
「クール・ランニング!」と叫び第2走で8位まで躍進する。勢いに乗って最後のトライをするが、中古故のトラブルが発生しゴール寸前でクラッシュする。
だが4人は重いそりを抱えたまま誇りを持ってゴールする。ライバル選手やスタッフや観客から惜しみない拍手で迎えられる。
金メダルより貴いものがある、それはゴールすれば分かる。と言ったアービンの言葉を、デリースはかみ締めていた。
コーチ役のジョン・キャンディは、この映画の日本公開直後に心臓発作で亡くなった。どんなハードなシーンでも、彼が出てくると不思議と可笑しく心がなごんだ。
  (注釈2)

僕より一歳年下の桑田佳祐にしたって、当時のアミューズの社長である大里洋吉氏に見出されなければ、コミックバンドのヴォーカルで終わっていたかもしれない。
映画「モーニング・ムーンは粗雑に」の主題歌は、「BIG STAR BLUES [ビッグスターの悲劇]」だった。日本のビッグスター桑田佳祐は、声に何の影響も残さず、食道癌の手術に成功した。ファンの一人として喜びたい。
高校2年生のとき、僕は放送部に入部した。学園祭で見かけた放送部の女の子が可愛かったからだ。
そして1979年、宮崎県小林市の本屋で、「群像」6月特大号を購入した。その号には新人賞受賞作「風の歌を聴け」(村上春樹)が掲載されている。
「彼女はよく訓練された犬のようにレコードを抱えて帰ってきた。」
僕はその一文が気に入りレコード業界に入った。そして映画ソフトを販売するようになり、映画紹介のイベントを始めた。
  (注釈3)
僕にとって優秀なコーチとは、言うまでもなく良質の映画である。その映画は酒を旨くしてくれるフォースでもある。
注釈1、「シムソンズ」(監督:佐藤祐市)
日本映画 2006年製作
原作:加賀真人
シムソンズ [DVD] / 加藤ローサ, 藤井美菜, 高橋真唯, 星井七瀬, 大泉洋 (出演); JUDY AND MARY (その他); 大野敏哉 (脚本); 佐藤祐市 (監督)
 
メーカー:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
メディア:DVD
注釈2、「クール・ランニング」(監督:ジョン・タートルトーブ)
アメリカ映画 1993年製作 原題:Cool Runnings
クール・ランニング [DVD] / ジョン・キャンディ, リオン (出演); ジョン・タートルトーブ (監督)
メーカー:ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテインメント
メディア:DVD
注釈3、「風の歌を聴け」(著者:村上春樹)
風の歌を聴け (講談社文庫) [文庫] / 村上 春樹 (著); 講談社 (刊)
出版社:講談社
メディア:単行本

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