名優かどうか、オカマの演技で判る。
Pict by nagaremono
名優かどうか、オカマの演技で判る。
introducing 「ウォーターボーイズ」「メゾン・ド・ヒミコ」「キッチン」
1985年、JAL123便の墜落事故で、坂本九と共に命を落とした顔馴染みがいた。福岡市中央区天神西通りにあった「あんみつ姫」の初代ママである。
店では小柳ルミ子の歌を得意とする和服の似合うママで、僕が勤めていたレコード店にすっぴんで出入りする、今で言うところのイケメンで気さくな人だった。
正直のところ、オカマとかゲイとかホモとか、僕にはさっぱり区別がつかない。
水商売で女装する男性を便宜的にオカマと呼ばせてもらうけれど、不思議とオカマを演じているときの俳優って楽しそうで、彼のことを思い出す。
こんばんは、マンハッタン坂本です。
「ウォーターボーイズ」の柄本明は、今や伝説となった新宿4丁目の青江のママを意識して和服にしたという。
鈴木(妻夫木聡)や佐藤(玉木宏)ら唯野高校水泳部の5人は、文化祭で披露するシンクロの入場券が一枚も売れず、オカマバーのママに泣きつく。
「あんた達の誰か、卒業したらうちの店に入るって約束できる?」
そう言ってママは鈴木のケツを摑むが、冗談よと面白がってチケットを買ってくれる。
だが鈴木は仲良くなった女子高の静子(平山綾)に知られたくない。
二人で商店街を歩いていると、ぬーっと中年のオヤジが声をかけてくる。すっぴんのママである。
激励された鈴木は、水族館でイルカの調教をする磯村(竹中直人)にシンクロの手ほどきを頼み込む。5人はいい加減な練習をさせられるが、何故か上達する。
いよいよ本番を迎える。
佐藤は、彼に気がある早乙女と抱き合う羽目になる。仲間の策略だ。応援に駆けつけたママやチーママ(徳井優)やバーの客たちが大いに喜ぶ。
(注釈1)
「メゾン・ド・ヒミコ」の田中泯は、銀座の人気ゲイ・バーのママを引退し、仲間のために老人ホームをつくった卑弥呼を堂々たる存在感で演じた。
末期がんに侵され余命幾ばくもない卑弥呼の部屋に、実の娘である24歳の吉田沙織(柴咲コウ)が現れる。卑弥呼の若い恋人・岸本春彦(オダギリジョー)が日給3万円で雇ってきたからだ。
卑弥呼に捨てられ病死した母親の入院代を返すため、しぶしぶ引き受けたオカマたちの世話は、沙織とって苦痛でしかない。心優しい山崎とコスプレ遊びをしたり、酔った勢いで春彦とキスするうちに、やっと打ち解ける。
病状が悪化した卑弥呼は、沙織の母親が店を尋ねてきた話をする。よりによって娘がプレゼントした帽子をかぶり、とびきりお洒落をして並んで映った写真を見せても、沙織が許すわけがない。
それでもベッドに横たわり彼女を見据えたまま、穏やかな声で言う――「あなたが、好きよ」
(注釈2)
「キッチン」の橋爪功は、早くにつれあいを亡くし、一人息子を育てるために女となり夜の仕事を始めた心優しいオカマを演じた。
祖母を亡くし天涯孤独となった桜井みかげ(川原亜矢子)は、花屋でバイトしていたときに祖母と仲のよかった田辺雄一(松田ケイジ)から、一緒に暮らさないかと持ちかけられる。そして彼の豪華マンションで母親の絵理子に紹介される。
一目で気に入った彼女は、引っ越してきたみかげを大切にする。飼っていた秋田犬ののんちゃんに似ていると言う。みかげの作った朝がゆをいちいちしなを作りながら美味しそうに食べる。
店のちかちゃんの提案で電気を消す。ミキサーの中でほんのりと光を放つミックス・ジュース。それを眺めるみかげと雄一と絵理子ら四人は、ささやかな幸せを実感する。
「人は相手のことや気持を知ろうとするけど、それは傲慢かもしれない」
そう言いながら絵理子は、元気のないみかげが家を出ようか悩んでいることを敏感に感じ取る。そして唐突に自分の服をプレゼントすると言い出す。
雄一の彼女がみかげの仕事場に怒鳴り込んで来る。みかげは、料理学校のアシスタント仲間と暮らし始める。
絵理子は精神療養所に入院する。だが立ち直って家に戻って来、療養所の医師と暮らし始める。それを機にみかげは、雄一と二人だけで暮らす決心をする。
別れ際に絵理子は、涙を流しながら二人をしっかりと抱き締める。
(注釈3)
映画の中の川原亜矢子は、料理学校の先生からアシスタントとしてヨーロッパに行かないかと声をかけられ断る。だが映画出演後の彼女はヨーロッパに渡り、スーパーモデルとして活躍する。
「メゾン・ド・ヒミコ」の入居者ルビーは見てくれはキモいが、陽気なオカマだ。孫娘が好きだというレインボー戦隊の魔法の呪文「ピキピキピッキー!」を柴咲コウと一緒に唱え、大いに笑わせてくれた。
現在、親富孝通りにある「劇団あんみつ姫」の座長を務めるとまとさんのトークショーは、やたら早口でまくしたて、観客に鋭いツッコミを入れる。僕もやられた口だが、客席は終始笑いが途切れない。彼女は小日向文世がオカマを怪演した「非・バランス」に出演した。
(注釈4)
陽気なオカマは、陽気な酔っ払いに似ている。
親富孝通り……通りのつき当たりに大学予備校があり、予備校生がたむろしていたことから親不孝通りと呼ばれていた。1973年当時、僕もその通りを行き来した予備校生の一人だったが、まだその呼び名はなかった。その代わり、福岡スポーツセンターに「センターシネマ」という名画座(二番館)があり、一時期予備校生料金というのが存在した。150円だったと記憶している。その頃見た映画でもっとも衝撃を受けたのは、「ジョニーは戦場へ行った」だった。
注釈1、「ウォーターボーイズ」(監督:矢口史靖)
日本映画 2001年製作 英題:Waterboys
日本アカデミー賞最優秀音響賞受賞
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注釈2、「メゾン・ド・ヒミコ」(監督:犬童一心)
日本映画 2005年製作
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注釈3、「キッチン」(監督:森田芳光)
日本映画 1989年製作
原作、吉本ばなな
日本アカデミー賞新人賞(川原亜矢子)受賞
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注釈4、「非・バランス」(監督:富樫森)
日本映画 2001年製作
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